パート・アルバイトでも有給休暇が取れるの?
正社員やフルタイムのパートしか有給休暇は取れないと思われがちですが、実は条件さえ満たしていれば1日数時間のパートやアルバイトでも有給休暇は取れるんです。
パートやアルバイトの人が有給休暇をもらえるための発生条件や、有給休暇の日数について紹介していきます。
Contents
パートやアルバイトが有給休暇を取れる条件とは
有給休暇は正社員やフルタイムのパートの人だけではなく、長期間働く社員であれば誰でも取れる休暇です。
そのため、「週に4日しか働いていない」「1日5時間しか働いていない」というパートさんやアルバイトの学生さんであっても、一定条件を満たしていれば有給休暇を取得することができます。
有給休暇が付くための条件は、
- 雇われた日から6ヶ月間継続して働いていること
- 6ヶ月の間に、契約上の労働日の8割以上働いていること
上記2つの条件をクリアしていれば、パートやアルバイトでも有給休暇をもらえることになっています。
入社して半年を経過していない人や、子供の病気などで欠勤が多くて契約している出勤数の8割を満たしていない人は、有給休暇の付与の対象外となります。
パートやアルバイトの有給休暇の日数は勤務条件によって違う
パートやアルバイトの有給休暇の日数は、勤務条件や労働時間によって異なります。
大きく分けて、
- 正社員と同等の時間・日数で働いている(週30時間以上または週5日以上)
- 週4日以下で働いている
の2つに分けられます。
正社員と同等の時間数・日数で勤務しているパート・アルバイトの場合
- 労働時間が1週間で30時間以上
- 労働日数が1週間で5日以上または1年間で労働日数が217日以上
上記2つのうち、どちらかの条件を満たしている場合です。
入社日から計算した勤続期間 | 付与される有給休暇の日数 |
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月以上 | 20日 |
有給休暇の日数は最低10日以上ですが、長く勤めるほど毎年もらえる有給休暇の日数は増えていきます。
週4日以下で働いているパート・アルバイトの場合
1週間の労働時間が30時間未満かつ1週間で4日以下で働いているパート・アルバイトの方が当てはまります。
この条件の場合の有給休暇は、労働日数によって変わります。
週所定労働日数 | 1年間の所定労働日数 | 入社日から計算した勤続期間(単位:年) | ||||||
0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 | ||
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
有給休暇は『契約上の所定労働日数』で計算されるので、残業や休日出勤は含まれません。慢性的に契約よりも多く働いている場合は、労働条件を変更してもらいましょう。
パート・アルバイトが有給休暇を取った日の給料の計算方法
パートやアルバイトの人が有給休暇を取った場合、その日の給料をもらうことができます。
パート・アルバイトの給料の計算方法は、
- 平均賃金
- 通常の賃金
- 標準報酬月額
の3つのうちのどれかに該当します。
基本的には会社の就業規則で決まっているので、確認しておきましょう。
多くの会社では、平均賃金か通常の賃金での計算となっています。
平均賃金の計算方法
勤務日数が月によってバラつきがある場合に用いられる計算方法です。
遅刻や早退、半休勤務などの特別な日を除いて、過去3ヶ月間の勤務した日の給料を勤務日数で割ります。
<例>
3月(31日):60,000円
4月(30日):70,000円
5月(31日):50,000円
3ヶ月間の給料合計:180,000円
1日の平均賃金:180,000円÷92日=約1956円
通常の賃金の場合
シフト制など固定で勤務日数が決まっている場合に用いられる方法です。
1日で得られる収入が支払われます。
標準報酬日額で計算
健康保険に入っている場合に用いられる計算方法です。
健康保険法という法律で、労働者には「標準報酬日額」というものが定められています。
産休やケガなどの長期休暇をもらう人に用いられる報酬の計算方法です。
パート・アルバイトの有給休暇にも使用期限がある
パートやアルバイトの有給休暇も、正社員と同様に『有給休暇を取得してから2年間』と使用期限が定められています。
有給休暇は原則として買い取りは不可となっているので、期間内に使い切るのが望ましいと言えます。
パート・アルバイトも有給休暇の消費が義務づけられている
2019年4月から始まった『働き方改革法案』により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者は、年5日以上の有給消化が義務づけられました。
対象となる労働者は、以下の通りです。
- 入社後6か月が経過している、正社員またはフルタイムの契約社員
- 入社後6か月が経過している、週30時間以上勤務のパート・アルバイト社員
- 入社後3年半以上経過している、週4日勤務のパート・アルバイト社員
- 入社後5年半以上経過している、週3日勤務のパート・アルバイト社員
ただし、すでに有給休暇を取得している場合は除かれます。
勤務形態によっては半日単位での有給消化も可能なので、希望がある場合は事前に会社側と相談しておきましょう。
パート・アルバイトも有給休暇を積極的に取ろう!
会社によっては、「パートやアルバイトには有給休暇はない」と思い込んでいる場合もあります。
パートやアルバイトのあなたも正社員と同様に有給休暇を取得できるので、堂々と会社に申請をしてください。
積極的に有給休暇を消費して、ワークライフバランスを保ちながら仕事とプライベートを楽しみましょう。