調理師・シェフ

委託給食会社はブラック企業?仕事内容や給料は?働くメリットはあるの?

委託給食会社の求人をよく見かけるけど、どんな仕事なんだろう。

ブラック企業が多いって聞くけど、本当?
逆に、ホワイト企業はないの?

今回は委託給食会社で働いてみたいという、栄養士・管理栄養士、調理師、調理員(調理補助)の方向け。

実際に委託給食会社で正社員として5年間勤めていた経験を持つ私が、仕事内容や給料、休みなどをくわしく解説していきます。




委託給食会社がブラック企業と言われる理由

なぜ委託給食会社はブラック企業と言われることが多いのかというと、

理由として

  • 給料が安い
  • 仕事がしんどい
  • 休みが少ない

の3つの点が挙げられます。

給料が安い

委託給食会社は、どこも給料がかなり安いです。
正社員の場合でも、諸手当て込みで月収20万円を切るということも、よくある話。
ひどい会社だと基本給が数万円、あとは手当てで上乗せしているので、ボーナスは年4ヶ月分支給されていても実質ほとんどもらえない・・・ということもあります。

パート・アルバイトの方の場合、最低時給で求人が出されています。
しかし、パート・アルバイトで栄養士・管理栄養士や調理師などの免許取得者であれば、時給をアップして雇ってくれることが多いです。
仕事内容に関しては、資格があるから変わる場合と変わらない場合があります。

責任ばかりを押し付けられることもあるので、時給アップしてもらえるからと喜んで承諾してしまうと、後から大変な目に合うこともあるので気を付けましょう

仕事がしんどい

委託給食会社の仕事は、役割や資格によって異なります。

栄養士・管理栄養士

栄養士・管理栄養士の委託給食会社での仕事内容です。

  • 献立作成
  • 食材発注
  • 消耗品発注
  • 人件費管理
  • 帳票作成
  • 下処理・調理
  • 盛り付け作業
  • 配膳作業
  • 食器洗浄
  • 給食委員会の出席
  • 清掃作業

など、事務仕事全般から調理現場での仕事まですべてを担います。
栄養士・管理栄養士を現場責任者として配置している給食会社は多いため、必然的に配属先全般の仕事を把握しないといけないことにもなるので、覚えることも多く大変です。

また調理師や調理員が不足しているときは、1日中調理室の仕事をしていることもあり、事務仕事が滞って残業をせざるを得ないこともよくあります。

施設栄養士が休みの日は、食数管理をしないといけない日もあってより大変なことも・・・

現場責任者の場合、休みの日にゆっくり過ごしたくても職場でトラブルがあれば電話やメールが送られてきます。
せっかくの休みなのに、トラブルの対処に追われてしまうこともあるので、辛い仕事だといえるでしょう。

調理師

次に、委託給食会社での調理師の仕事です。

  • 下処理・調理
  • 盛り付け作業
  • 配膳作業
  • 食器洗浄
  • 清掃作業
  • 調理の記録書き

栄養士・管理栄養士と比べると仕事量は少なく感じますが、1日中調理室で立ちっぱなしなので重労働です。
大病院や大企業の食堂に入っていると、数百食作らないといけないため、調理器具も大きいものばかりなので肩や腰を痛めてしまう調理師さんもいます。

しかも早出や遅出もあるので生活リズムが狂いやすく、なかなかプライベートを楽しめないという一面もあります。

また調理の記録は、「食事の衛生面をしっかり守っている」という証拠にもなる重要書類です。
意外と書くのにも時間がかかるほか、記入ミスや記入漏れがあると万が一食中毒が発生した場合、保健所からチェックが入り指導される恐れも。
毎食すべての献立に対して書かないといけないので、ストレスを感じる調理師さんも多いです。

調理員・調理補助

委託給食会社の調理員・調理補助の仕事内容です。

  • 下処理・調理
  • 盛り付け作業
  • 配膳作業
  • 食器洗浄
  • 清掃作業

簡単に見ると、調理師と大きく仕事の差は無いように感じますが、基本的には調理師の指示に従って動くことが多いです。
調理に関しても、調理師がベースとなる食事を料理するのに対し、調理員・調理補助はアレルギー食や特別食などの少ない食数の料理を任されることがあります。

盛り付けや配膳、食器洗浄は調理員・調理補助の方々がメインで動きますが、「何時までに終わらせないと次の業務に支障が出る!」というほどタイムスケジュールが決まっているので、忙しく動き回ることになります

調理員・調理補助の方はパート・アルバイトの方が大半を占めますが、中には正社員の方もいます。
正社員の方も同じ業務に携わりますが、責任者として時間配分や動きの指示などを行い、調理師をフォローする立場となります。

休みが少ない

委託給食会社の休みは、年間の公休日が104日または105日と非常に少ない会社が多いです。
さらに職場の人数が常にギリギリのため、有給休暇も取りづらいというのが現状です。
2019年4月から法律で有給消化が義務付けられたので、最低でも既定の日数は取得することが可能となっています。

正社員の場合(入社6ヶ月経過している場合)は、1年間で5日間の有給が取得できます。
パート・アルバイトの場合は、1週間の労働時間の契約によって日数が変わるので、よく確認しておきましょう。




委託給食会社でホワイト企業はあるの?

『委託給食会社=ブラック企業』というイメージは強いですが、実際のところ、給食会社の中にもホワイト企業はあるのでしょうか?

実は、最近になって委託給食会社にも「働き方改革」の波は確実に起こっています。

給食会社では一般的に、1年間の公休日が104日か105日(4週8休)で設定されていることがほとんどです。
しかし、とある委託給食会社では人材を増やすために、年間公休日を120日まで増やした企業があります。

人手不足なのに休みを増やして大丈夫なの?

あなたが求人要綱を見たとき、公休日が104日と120日があれば、どちらを応募しますか?

多くの人は、年間の休みが120日確保できる会社を選ぶことでしょう。

つまり、一時的に人手不足で現場が忙しくても、休みが多いことに魅力を感じて入社してくる人が増える見込みがあるのです。
人手が増えれば、公休日だけではなく有給消化もしやすくなり、必然的に休める日数はさらに増えていきます。

このような取り組みをしている給食会社はまだ一部ですが、ブラック企業からの脱却を目指しているホワイト企業だと言えるでしょう。

公休が120日ある給食会社の求人を探してみる

委託給食会社で働くメリットとは

委託給食会社で働くメリットについて、それぞれの職種ごとに紹介します。

栄養士・管理栄養士のメリット

栄養士・管理栄養士が委託給食会社で働くメリットしては、

  • 栄養士としての基礎を学べる
  • 食品衛生やコスト管理を学べる
  • コミュニケ―ション能力が鍛えられる

という点が挙げられます。

委託給食会社では、調理現場に入ることで食品の流れを把握することができます。
しかし現場で経験が一切ない状態で施設側に入ってしまうと、残念なことに食材の流れ、つまり食品の納品から下処理、調理時間などをよくわからない栄養士となってしまいます。

実は何も分からない栄養士ほど、頭でっかちで現場の調理師や調理員に嫌われることはありません。

いずれ施設栄養士や病院栄養士を目指すのであれば、まずは委託給食会社で学べることは徹底的に学ぶのがベストだと言えます。

調理師のメリット

調理師が委託給食会社で働くメリットは、

  • 人の使い方を学べる
  • コミュニケーション能力が鍛えられる
  • 食品衛生について学べる
  • 様々な調理方法が身に付く

の3つが挙げられます。

なかでも正社員の調理師は、調理現場全体を取り仕切ることが多く、調理員に指示を出す機会が多くなります。
給食は時間通りに提供しないといけないため、その日のメニューによって動き方も変わるため、「どの人に業務を割り振るか」など常に考えながら時間配分をするなど、人の動かし方について多く学べます。

そのため、人に対してお願いする言い方を含めて、自然とコミュニケーション能力を鍛えることができるので、将来転職したときでも新しい環境にすぐに馴染めるようにもなります。

また、施設や病院、学校など多様な職場で働けるのが給食会社です。
社内で異動するごとに、現場によって味付けや調理方法が異なってきます。

保育園や小学校では、子どもが食べるので具材はどのくらいの大きさにカットするのか。

介護施設や病院では、お年寄りの好きな味付けや食べやすい調理方法の工夫。

社員食堂や学生食堂では、いかに決められた調味料で食が進むようにできるか。

それぞれの環境で学べることがあり、すべてあなたの強みへと変換することが可能となります。
専門店で就職した場合には体験することができないほど、多様な調理技術や見せ方・工夫の仕方を学べるので、とくに若手の調理師にはおすすめの職場ともいえます。

調理員・調理補助のメリット

パートやアルバイトが多い調理員・調理補助にも、もちろんメリットがあります。

  • 調理師免許の取得が可能になる
  • 家事にも使える知識が身に付く
  • 家事代行の仕事をするときに、好待遇となることもある

入社当初は未経験・無資格でも、給食会社で2年間以上働くことで、調理師試験を受験する資格を得られます。
会社によっては資格取得すると、時給アップをしてくれるところもあるので、チャンスがあればぜひ受験してみましょう!

また、主婦の方が多い調理員・調理補助ですが、家庭での家事にも活用できる知識を身に付けられるので役立つことが多いです。
たとえば、短時間で調味料を染み込ませる方法や食材の切り方、時短料理のレパートリーを増やせるもの、この仕事ならではと言えるでしょう。

ほかにも最近話題の「家事代行」の仕事でも、給食会社で働いていた経験は有利になります。
決められた時間で効率よく動くことはもちろんですが、給食会社で働いていたことで経験者扱いとなり時給を高く設定してもらいやすくなる場合もあります。

委託給食会社で働くよりも、高時給・好待遇となるので、将来的にもより効率よく働きたい場合は家事代行を検討することをおすすめします。

家事代行の仕事を見てみる

給食会社はブラック企業でも多くの経験が積める

委託給食会社は、一般企業に比べてまだまだブラック企業と呼ばれる会社が多いのが現状です。
残業時間も多いし、休日出勤もあたりまえ。
お客さんである施設に合わせてばかりで、精神的に疲れてしまうこともあります。

正直言って、委託給食会社でずっと働き続けるのは、かなり過酷です。
ですが、「3年間だけ経験してみよう」と割り切って働くと、あなたが思っている以上に社会経験を積むことができ、メンタル面も強くなります

そのため、次に転職しようと考えたときには、志望先から「ぜひうちの会社で活躍してほしい!」と思われる人材に成長しているのです。

実際、委託給食会社で経験を積んできた栄養士・調理師の方々は、知識や経験値はずば抜けており、新卒から鍛え抜かれてきたのだなというのがよく分かります。
また経験豊富のため、柔軟な発想ができるので外食産業では引っ張りだことなっています。

もちろん、無理に経験を積むまで続ける必要はありません。

委託給食は働いている間に、身体的・精神的に苦痛を感じる方が多いのも事実です。
「自分には合わない」と思ったときには、まずは休職をして身体も心も休めましょう。

委託給食会社はまだまだブラック企業が多いですが、その中でもあなたにとって有利となる知識や経験だけを身に付けて、次のステップへ進むための材料と考えるのも1つの方法ですよ。

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