保育園の調理師の仕事って、楽というのは本当?
残業も無くて、働きやすい職場環境ってよく聞くけど・・・。
保育園の調理師の仕事は、「楽」「残業なし」「子ども好きなら続けられる」と言われており、調理師の中でも女性に非常に人気のある仕事のひとつです。
今回は保育園調理師の仕事内容や働き方など、実際に働いてみないと分からない疑問点についてまとめました。
Contents
保育園の調理師の仕事はホワイト企業並み
保育園での仕事といえば保育士さんに注目が集まりがちですが、実は調理師も非常に人気のある仕事です。
中でも調理師専門学校を卒業したばかりの20代や、子育て世代の女性には大人気の職場で、すぐに求人募集の枠が埋まってしまうほどです。
保育園の厨房での仕事は、園によっては管理栄養士・栄養士のみの募集となっていることもありますが、保育園には管理栄養士・栄養士の配置義務はないので調理師・調理員のみで構成している保育園や幼稚園が大半です。
また勤務時間は保育園の開園時間のみとなっているので、調理師の嫌な部分である
- 早朝勤務がない
- 残業がない
- 日曜日・祝日・年末年始は休み
といった魅力も男女ともに人気がある理由です。
保育園の調理師の仕事はどこで求人が出ている?
保育園の調理師の求人は、
の3つの転職サイト・転職エージェントでの取り扱いが多いです。
保育園には委託給食会社が入っていることが多く、そのため委託給食会社に雇ってもらう必要があります。
確かに給食会社での雇用となるため、会社側からの異動命令で出れば異動する可能性はあります。
しかし従業員としての拒否権はあるので、絶対に異動したくない理由を明確に答えれば問題ありません。
保育園で働き続けるのであれば、給食会社の入っていない、直接運営している保育園や幼稚園を探す必要があります。
しかし最近は調理師不足であることもあり、地域によっては調理師が集まりにくいこともあって、給食会社に厨房をお願いするパターンが増えてきています。
また今は保育園の直営であっても、将来的に委託給食会社に変わる可能性もゼロではありません。
そのような場合は退職するか、委託給食会社の社員として保育園に残るかの選択となります。
保育園の調理師の仕事内容はどんなことするの?
保育園での調理師の仕事は、子どもたちの給食やおやつの準備や調理、食器洗浄が仕事になります。
1日の流れとしては、
7:00 開園
9:00 朝のおやつ
11:00 昼食
15:00 昼のおやつ
19:00 夕食(希望者のみ)
となります。
保育園によっては、厨房は17時に閉まり、夕食は保育士が温めて提供するという施設もあります。
調理師は出勤後、まずは0才児から2才児の朝のおやつの準備をします。
朝のおやつは調理時間がないため、ビスケットやチーズなど既製品であることがほとんどです。
子どもの人数分の食器とおやつ、牛乳を用意して配膳車にセットしておくと、担当保育士さんが厨房まで取りに来てくれます。
朝のおやつの準備が終われば、次にお昼の給食の準備に取りかかります。
保育園ではアレルギー児の食事対応をする以外にも、秋頃までは離乳食を作ったりと意外と忙しい仕事です。
しかも11時には食事準備は終わっておかないといけないし、合間に食器洗浄や園児のクッキングなどのイベントの準備をするなど、要領よく仕事をしていかないといけません。
中でもアレルギー食は、少しでもアレルギー物質が混入してしまうと呼吸困難に陥ってしまう子どももいるため、慎重になって対応しなければなりません。
調理師だけではなく保育士さんとの連携が不可欠なので、毎回一緒にチェックして子どもに提供を行います。
保育園内に栄養士・管理栄養士さんがいる場合はアレルギーチェックをしてくれるので、調理師は調理の仕事に集中することが可能になります。
昼食提供後は、15時のおやつの準備をしてお昼休憩。
15時のおやつは手作りである保育園がほとんどですが、栄養士・管理栄養士さんが不在の保育園では週3回の頻度で手作りおやつと既製品が交互で出されているところもあります。
休憩後はお昼の食器洗浄やおやつの準備、翌日の仕込みをしていきます。
15時のおやつの食器が戻ってきて、仕込みも終われば厨房の片付けをして業務終了です。
保育園の調理師の勤務時間や休みは?
保育園の調理師は、基本シフト制での勤務となります。
というのも、保育園は月曜日から土曜日まで開園しており、開園時間も朝7時から夜7時までのところが多いからです。
しかし残業はほとんど発生しない職場環境なので、ライフスタイルは安定して過ごすことができます。
休みはというと、
- 日曜日・祝日
- 年末年始
- 家庭協力日(保育園によっては無いところもある)
- 台風など警報が出たとき
となっています。
また、土曜日やお盆期間は保育園を利用する園児が少ないので、調理師の出勤する人数はいつもより少なくなるので休みやすくなります。
最近は保育士さんの待遇改善により、保育園勤務の調理師も同じように給料が見直している施設も多くなっています。
残業時間の削減・公休日の増加・給料アップと改善されているので、より働きやすい環境となっているので、今後さらに調理師業界の中でも人気の高い仕事となるといえます。
保育園の調理師で働くことのデメリットは?

今までの話を見聞きする限り、保育園の調理師として働くことにメリットしか感じませんよね。
それでは、保育園で調理師として働くうえでのデメリットはあるのでしょうか?
- 給料が低い
- 女性ばかりの職場なので、人間関係が複雑
- 周りが保育士ばかりなので調理師だけで孤立しやすい
保育園の調理師は給料が低い
保育園に関する仕事は、保育士さんをはじめ、まだまだ全体的に安月給です。
最近では保育士不足の問題もあり収入面の改善もされていますが、一般企業と比べると安いのが現状です。
保育士さんの給料が安いため、調理師の給料ももちろん例外ではありません。
正社員でも毎月の手取りが10万円台前半というのは、よくある話です。
保育園は女性ばかりの職場なので、人間関係が複雑
「保育士=女性」というイメージが強いですが、実際に保育士さんのほとんどは女性です。
私自身も男性保育士さんは、今まで1名しか会ったことがありません。
保育士さんは年間を通しての担当制で園児を受け持つため、結婚や出産を前もって予定を立てておかなければならず、気をつかう職場でもあります。
調理師自体はそこまで考える必要はありませんが、保育士さんの関係性がギクシャクしている保育園で働くことになると雰囲気が悪くなり、調理師に対して風当たりが強くなることも。
男性保育士を含め、1人でも男性スタッフがいると雰囲気が全然違うので、「絶対に雰囲気の良い保育園で働きたい!」という場合は、男性がいる保育園を選ぶのも1つの方法です。
周りが保育士ばかりなので調理師だけで孤立しやすい
2つ目の「人間関係が複雑」に関係することですが、調理師は保育園内で孤立しやすい環境です。
保育園内の職員のほとんどは保育士ですし、数人いる看護師はずっと事務室にいるので保育士と一緒にいる時間が長いです。
しかし調理師は基本的に厨房から出ることがないので、保育士をはじめとする他の職員と話をする機会はあまりありません。
そのため、調理師は保育園内で孤立する傾向にあります。
とはいっても、イジメがあるとかそういうわけではないので、安心してくださいね。
給食について「もうちょっと小さく切ってくれたら、子どもに食べさせやすいのに」とか「今日のおやつのケーキ、もう少し膨らませてほしかったよね」など、ちょっとした陰口のような感じで言われるくらいです。
毎月ある職員会議で、保育現場からの要望として持ち上がるので、基本的には調理師は対応することになります。
どうしても立場上、保育士有利に話は進んでしまいますが、直営の保育園であれば設備上どうしても無理なことがあればしっかりと園長先生に伝えないといけません。
一方で委託給食会社の場合は、できる限り対応しないといけないので大変です。
しかし、「保育園」という場所は『子ども第一主義』なので優しい性格の人が多く、看護師などの女性社会と比べると働きやすい職場であることには変わりありません。
保育園調理師は人気ある仕事!
保育園の調理師は、子どもの食育に携わる大切な仕事です。
保育園内では立場が弱いことがありますが、保育士さんとの連携が不可欠で、何よりも子どものために栄養バランスが良くて、おいしい給食を用意してあげなくてはいけません。
給料は安いものの、残業なし・休みはしっかり取れるということもあり、最近は女性調理師だけではなく男性調理師でも保育園を希望する人も増えています。
待機児童の解消や幼保無償化といった世の中の流れもあり、今後ますます保育園の調理師の求人や需要が増えていくことが予想されます。
さらに待遇改善が期待されることもあり、今まで以上に保育園の調理師は人気が高い職業となることは間違いありません。
元々人気がある仕事なので、保育園調理師の仕事に興味があるのであれば、倍率が上がる前に転職するべきですよ。